城山公園の案内
花火の郷として知られる石川郡浅川町は、町域の東半分が阿武隈山地、西半分が中通り低地に属する、ゆったりした農村地域である。城山は桜の名所でもあり、春・夏・秋に行われる花火見物の特等席でもある。
城山は浅川町役場の北東1.2kmにあり、阿武隈山地の東端が中通りの低地に突き出したような孤立丘になっている。標高407.4mで、浅川町の平坦部との境は標高差100mの急斜面をなしていて、山頂部では360度の展望を楽しむことができる。
城山の名前は、13世紀(鎌倉時代初期)に奥州平泉の藤原氏攻撃の功により、浅川知義が浅川の地を与えられ、城山に山城を築いたことによるといわれる。
現在、山麓から城山山頂部にかけての一帯は、生活環境保全林を含む公園になっていて、遊歩道が整備されている。樹齢100年以上と思われる檜・杉・松の針葉樹の巨木の林と、多種類の落葉広葉樹の林が入り組んで、遊歩道は、さまざまな樹種の林を縫うように整備されている。
訪れた11月中旬は、紅葉が盛りを過ぎ、色づいた落ち葉がはらはらと降りかかって歩道を覆っていた。季節外れのこととて訪れる人もなく、自動車の騒音も届かない、全くの静寂に包まれていた。城山公園の北西部に、白山比咩神社が鎮座し、湧水をもとにした溜池である「蛇の目が池」がひっそり佇んでいる。