せせらぎ荘は2016年秋にリニューアルオープンした、大沼郡金山町の温泉保養施設です。
只見川支流の野尻川左岸に新築されたせせらぎ荘は、降りしきる雪の中に佇んでいました。新築建物であるにもかかわらず、雪景色に溶け込んでずっと前からそこにあったかのように落ち着いた風情を感じさせます。広い玄関から中に入ると、贅沢な杉材をふんだんに使った落ち着いたエントランスホールとなっています。
1階は食堂と男女別の大浴場及び売店・フロント・ロッカールーム、2階は休憩室とリラクゼーションの空間です。せせらぎ荘の特徴は、泉質の異なる2つの温泉を1つの大浴場で味わうことができることです。
炭酸温泉「大黒湯」は無色透明で、温度はぬるめですが、その分長く浸かっていることができ、長時間湯冷めしにくいです。遊離炭酸(CO2)を多く含んでいるので、お湯の中から炭酸ガスの微細な気泡が湧き上がってきて、皮膚の表面の産毛にくっつくそうです。炭酸温泉は、高血圧と糖尿病の予防効果があるとも言われ、また、新陳代謝を活発にして体を内側から温める効果があります。(温度や炭酸ガス量は季節変動があるようです。)
隣の浴槽は、茶褐色を帯びた熱めの「玉梨温泉」の湯が流れ込んでいます。着色するのは、源泉に含まれる鉄イオンが酸化して水酸化第2鉄に変化することによります。鉄分もまた湯冷めしにくい要因の一つです。
金山町は、炭酸温泉で有名な長湯温泉(大分県竹田市)とともに炭酸温泉による健康づくりを進めるために、竹田市との連携することになりました。日本の原風景を残す奥会津は、精神的なリラクゼーションに最適であり、成人病の予防効果も期待できる金山町玉梨温泉はお勧めです。
(2017年3月 新協地水(株) 取締役会長 谷藤 允彦)