施設内に設けられた展示スペースも兼ねたショップでは、美しいワインボトルが並んでいます。ボトルのラベルも可愛らしい。ハンドルキーパーがいるときは迷わず試飲を!お気に入りの1本を見つけることができます。お酒が飲めない方も嬉しい、デザートとソフトドリンクも楽しむことができます。デザートは郡山産のいちごをそのまま凍らせ、かき氷のようにけずったところに練乳をかけたかきいちご。ソフトドリンクも福島県産の果物を使用したものばかり。今回はぶどうジュースを注文。原材料はぶどうのみ。濃さにびっくり!
さてお酒にまいりましょう。試飲は6種類の中から選べます。(取材当時)福島県産「ふじ」のりんごで作られたシードルは醸造年ごとに2016年、2017年、2018年の3種。会津若松産マスカット・ベーリーAのロゼスパークリング。2018年に誕生した郡山産ワイン、ヴァン デ オラージュのルージュ2019(赤)、シャルドネ2019(白)です。ヴァン デ オラージュは3種発売となりましたが、ソーヴィニヨン・ブランは完売となってしまったもよう。ぜひ今年の醸造は味わってみたいですね。
今回は5種を試飲。シードルの2016年と2018年で年代の違いを確かめなくては。外せないのが地元・郡山産のヴァン デ オラージュのルージュ2019(赤)、シャルドネ2019(白)。そして女性大好き!ロゼスパークリング。ここからは個人の感想ですが、シードルの2016年と2018年。2018年はフレッシュで2016年より炭酸は強め。2016年は奥行きがあり味わい深い。ヴァン デ オラージュのルージュ2019(赤)、シャルドネ2019(白)は最近すっかり白党の私ですが、赤が好みでした。グラスから見る色も透き通る赤、味も同様にすっきり。最後に阿部のオススメはマスカット・ベーリーAのロゼスパークリング。ロゼのイメージをいい意味で払拭。思いのほか甘さを抑えた飲みやすさで普段の食卓の彩りになりそうです。
試飲はできませんが、ふじのブランデーがベースのリンゴリキュール、あかつき桃のブランデーがベースの桃リキュール、幸水と豊水をブレンドしたブランデーがベースの和梨リキュールも販売されています。女子会で盛り上がりそう!さらにショップ限定販売でブランデーも4種。幸水・豊水の和梨ベースが2種、あかつき桃ベースが2種とバリエーション豊か。No.1~4の名前が付いていて、瓶もそれと分からないほどおしゃれです。阿部のオススメはOUSEブランデーNo.3ポワールジャポネーズ。幸水・豊水の瑞々しい香りが予想以上にしっかり味わえます。あかつき桃の2種も桃の香りが楽しめますよ。
Q&A
ふくしま逢瀬ワイナリー代表理事の河内さんに話を伺いました
Q.郡山に逢瀬ワイナリーとしてワイナリーを開業されたのはどうしてでしょうか。
A.運営母体である公益財団法人三菱商事復興支援財団が、震災後被災3県で様々な活動をする中で、震災のみならず原発問題で復興の道のりがより険しい福島県において、主体的に事業を運営して、直接的に被災地の復興に貢献をしたいと考えるようになりました。その中で、風評被害に苦しむ農家の方々との出会いがあり、彼らをお手伝いする一つの手段として、果物王国である福島県産の果物をお酒にして高付加価値品として、その魅力を発信するワイナリーを開業するに至りました。また、復興支援等の文脈で事業に取り組むにあたって、既存の地元事業者と競争することになっては意味がないので、そのエリアで誰もやったことのないことをやるということも一つの切り口でした。
Q.逢瀬ワイナリーのコンセプトは何でしょうか。
A.福島県の高品質の果物を加工して、その魅力をお酒として発信することです。
Q.現在、逢瀬ワイナリーで醸造に直接携わっている方 は何名、醸造に使われるぶどう等の果樹を栽培され ている農家の方は何軒いらっしゃるのでしょうか。
A.醸造を行っているのは3名です。農家の方々は現在は13軒になりました。農家さんたちにワイナリーのコンセプトをお話し、福島県の果樹農業の未来を拓くという熱い思いを持った農家さんたちにご協力をいただいています。
Q.今まで苦労された点はどのようなところでしょうか。
A.郡山産ワインのリリースに漕ぎつけること。郡山市でワイン用ブドウは栽培の歴史がほぼなく、本当に0からのスタート。一般的にワイン用ブドウは実が付くまでに3~5年を要すると言われており、農家の方々には時間を掛けてブドウの手入れをしていただきました。その甲斐あって、2018年に初めて実を収穫・仕込みを行うことができ、2019年3月に初めて念願の郡山産ワイン「ヴァン デ オラージュ」をリリースすることができました。
この名前は「おらげ」という方言をもじったものであり、「自分の家のワイン」を意味しています。いつか福島県の人々が、「おらげのワイン」として、他県に、そして、世界に胸を張って自慢が出来るワインに育っていって欲しいという願いが込められています。
Q.すべておすすめであることを前提で… おすすめの1本をご紹介お願い致します。
若木から造られるワインはまだまだ若い味わいながら、是非ヴァン デ オラージュを一緒に育てていく気持ちで飲んで欲しいですね。また、りんごのスパークリングワインであるシードルは、国内外の品評会で最高賞を受賞したほか、東京の有名レストランやJR東日本の四季島に採用されるなど、高い評価を得ており、こちらもオススメ。
私たち地元民のおでかけスポットとしても楽しめますし、県外の方への贈り物としても喜ばれますね。福島県の果物はその時々でとびきりのおいしさが味わえますが、お酒として味わうのもオツですね。
なかなか郡山においでになれない方もオンラインショップで購入が可能です。ぜひ「ふくしま逢瀬ワイナリー」でチェックを!