日本経済の実質GDPは、年率プラス1.3%と3期連続でプラス成長を保ったものの、景気回復は依然として力強さに欠ける状況となっています。国外に目を向けると、イギリスのEU離脱やアメリカの大統領にトランプ氏が決定するなど、多くの政治的な不安要素が存在し、日本経済はますます混迷の度を深める中で2017年度がスタートしました。福島県を含む東北地方の多くの中小企業経営者は、大企業の景況感が失速しつつある中で、地方の経営環境がさらに厳しくなると予測をしています。
福島県の経済は、公共投資と住宅投資が堅調に推移する半面、震災後6年が経過し「集中復興期」から「復興・創生期」へ新たなステップに進む中で、「復興特需」はピークが過ぎたとの観測が広がっています。このような状況の中、県内建設関連業では業界団体さらには個々の企業の将来の在り方を模索する動きが活発化をしてきました。高度成長期に大量に造られたインフラの整備・管理を通して安全と安心を提供するのは地元の企業であり、個々の企業が経営基盤を強化して将来的に存続することが大きな社会的役割となっています。さらに福島県においては、再生可能エネルギーの導入拡大と関連産業の集積を再生の基盤とし、2040年頃を目途に、県内エネルギーの100%を再生エネルギーから生み出す目標を掲げています。
第43期を迎える弊社は、地盤と水に関わる業務の企画・調査そして設計から施工までを経営理念の下、揺るぎない信念を持って、誠実にそして正確に顧客満足を追求してまいりました。「復興・創生期」の事業として本県の柱となる、【インフラの整備・管理】および【再生可能エネルギーの導入拡大と関連産業の集積】に当たっても地盤と水に係わる業務は重要な要素であり、われわれが必要とされている分野です。今後も、一つひとつの案件について丁寧に解決することで、「地域に貢献する企業は、地域に必要とされ、地域から見捨てられない」ということを信念として、日々活動を行ってまいります。
長期的な視点では2012年10月に、全社員が参加をして10年後のあるべき弊社の姿のイメージを議論し、以下のようにまとめました。
► 地盤と水に係わる業務において1流を目指し、同業他社と差別化できる技術・サービス・商品を数多くもつ。
► 地域に貢献し、必要な企業価値を総合的に高め、その地域において志の高い若者が入社したい会社を目指す。
► チャレンジ精神にあふれ、各自がステップアップできる企業集団を形成し、社員が前向きに行動できる会社を目指す。
2017年度は、10年先のイメージを実現すべき折り返し点となります。今までやってきたことを見直し、社会環境の変化に合わせて修正し、これからの5年間を改革加速をしつつ前進していきたいと考えています。新協地水が掲げる「経営理念」に基づく、高い志を一人ひとりの役職員が持ち続け、その経営姿勢が顧客から共感を受け、地域社会に必要な企業と認知され続けるため、全社一丸となって経営理念に沿ったより良い企業風土の構築に当たる所存です。
今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いします。