【鳥追観音】
1.ころり観音を巡って
3回目のゆるりと会津たび。この度も拙い文ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
耶麻郡西会津町。新潟県の県境に接する福島県西端の町です。今回は、鳥追観音を訪問します。鳥追観音(鳥追観音如法寺)は、前々回から巡っている日本遺産会津三十三観音のひとつであり、会津ころり三観音のひとつで有名です。大往生を願うおじいちゃんおばあちゃんの聖地です。中田観音、立木観音、そして鳥追観音で会津ころり三観音を制覇することとなります。「三観音を巡拝し、罪障消滅を念ずれば、苦しみを除き、現世に無比の幸福を得さしめ、寿命安楽、福寿円満にして悲願の大往生を遂げさせ給うと云う。」(鳥追観音 安楽ころり信仰の由来 より)
会津若松市から来る長谷川さんと国道49号線の広場で待ち合わせ。今にも雨が降り出しそうな10月某日。西会津インターから車で10分程で鳥追観音に到着です。紅葉真っ盛りの時期にはもう少しというところで、色づき始めたくらい。車を降りると、上着がなくては我慢できない気温。会津暮らしの長谷川さんも「寒い」と呟きました。駐車場には観光バスも停まっており、参拝客で賑やか。土産物屋の呼子さんの声が明るく響く。門の両脇には仁王様がお出迎え。細かい編み目の金網から覗くと、睨みをきかせています。香の匂いが立ち込める参道を進み、本堂の正面へ。装飾が施された柱や欄干が目に留まります。
御本尊を拝観できるのは、1月の三が日、5~6月、10~11月の午前8時半~午後4時。12月~3月は、豪雪地帯のため、落雪等を考慮し、基本的に閉門しているようです。
冬期間中に御用の場合は、鳥追観音如法寺へお問い合わせ下さい。
鳥追観音 如法寺
〒969-4406
福島県耶麻郡西会津町野沢字如法寺乙3533
電話0241-45-2061 FAX 0241-45-4190
HP www.torioi.com
1.樹齢1200年東北最大の高野槙(コウヤマキ)
仏都会津の祖と言われた法相宗僧・徳一菩薩が平安初期に開創されたときに記念植樹された木。高野槙という木の種類では稀にみる巨木。
4.一休三小僧
一休さんアニメのキャラクター作者がデザインした3体のお地蔵様。
2.だきつき柱 ~善男柱・善女柱~
本堂内のだきつき柱は二種類あり、男柱→女柱の順で両方に抱き着くと御利益がある。
5.雪掻車の展示
昭和11年に製造されたラッセル雪掻車、昭和24年に製造された回転雪掻車(ロータリー)が鳥追観音から道路を挟んで北側に展示されている。その勇ましさに驚く。
3.身代りなで仏(金剛力士像)
なでると、ころりと大往生が叶うといわれている。
6.観音堂の三猿
慶長16年に地震で倒壊した観音堂再建時に、左甚五郎が安楽を念じて彫刻した。
観音堂の三猿を探し得たものは、「福まさる」と言われている。
※6の三猿は、観音堂の欄干に彫刻されているのですが、最後のひとつを見つけることができませんでした。観音堂内の写真撮影が可能です。この日は、参拝客とともに副住職の奥様からご説明をいただきました。とてもユーモアに溢れた方で、地元訛りでの明瞭な説明が、訪れた人を笑顔にしてくれます。
秋の新蕎麦は特に香りが良いと言われています。蕎麦好きが心躍る季節です。
鳥追観音の周辺には2軒のお蕎麦屋さんがあり、今回は道路を挟んですぐ北側の「仁王茶屋」さんにお邪魔しました。着座し、メニューを観て思わず「オムレツたぬき蕎麦?」どれもリーズナブルなお値段で、ご家族連れにも優しいですね。注文を迷って、素敵な笑顔のおかみさんにおススメを尋ねると「ザル御膳」とのこと。さっそく注文はザル御膳。長谷川さんは寒いので、温かい蕎麦が御所望。かけそばを。看板娘のおばあちゃんに、寒いからストーブの近くに来るようすすめられていると、蕎麦が提供されてきました。手打ちの良く締まった蕎麦に、だし巻玉子、昆布巻、栗の渋皮煮が付いてきます。どれも美味しいのですが、特にわたしは栗の渋皮煮がお気に入り。訊けば、地元・西会津産の栗を仁王茶屋さんで煮ているそうです。
一度にいろいろ食べたい女性には嬉しいザル御膳です。ごちそうさまでした!