福島県の会津地方北部に位置する喜多方市。全国的にも言わずと知れたラーメンと蔵のまち。ご紹介するのは、『長床のイチョウ』の愛称で福島県民に親しまれている新宮熊野神社のご神木です。福島県内には数々の紅葉スポットがありますが、こちらのイチョウを一度は観た方がいいと勧められてきました。イチョウの葉が黄色に染まるこの時期限定で、夜のライトアップもされています。今回やっとタイミングが合って平成最後の晩秋、長床のイチョウを拝める機会が。樹齢およそ800年と言われる大イチョウ。楽しみです。
◆11月11日(日)
一度見てみたいという家族二人を引き連れて、郡山市から喜多方市へ向けて東北道から磐越道へ。磐梯山サービスエリアでトイレ休憩。こちらには、漆塗りなど会津地方中心の名産品コーナーもあります。そこで、磐梯山を模した磐梯山メロンパンと、あかべこの顔の形のべこパンを購入しました。どちらもクリーム入りですが、わたしはべこパンがおすすめ。見た目はファンシーですが、生地もカスタードクリームも本格派です。
会津若松インターを降りると、会津縦貫道で喜多方へ。ちょうど11時を過ぎたところで、昼食を取りに農業まつりへ向かいます。第13回ふれあいきたかた農業まつりは、喜多方の押切川公園体育館で11/10(土)~11/11(日)の二日間行われました。喜多方市の農産物の販売や飲食もできます。いろいろ堪能してみたい私には絶好の機会。駐車場と会場とでシャトルバスが15分おきに運行されており、自動車でお越しの際は便利です。駐車場を探しながら会場前を通ると既に沢山の来場客が。今年の会津はまだそこまでの寒さはなく、薄手のコートでも充分な陽気でした。
お目当ては山都の蕎麦。会津山都そば協会の方々による出店です。会場で一番の行列でした。かけ蕎麦、もり蕎麦、とろろ蕎麦のメニューがあり、注文をすると番号札で呼び出しのシステム。とろろそばは山都で育った粘りの強い山都イモを使用しているようで、注文する方も多く見られました。席はフリーで席取り合戦状態のため、食べ終わった方々を狙ってすかさず場所取り。蕎麦は塩で食べる派の私ですが、郷に入っては郷に従えと言うことで、今回はつゆで頂きます。
私たちはもり蕎麦を注文しました。良く締まっていて、喉ごしも最高。ヘビー級体型に見合った食欲の私たちは、蕎麦なら2人前以上はぺろりですが、混雑のさなかということもあり、今回は一人前ずつに。もちろんお腹は足りないので、近くの別テントから菜種油を使ったかき揚げを買って、即席天ぷら付蕎麦にしました。玉ねぎの甘さと菜種油の香ばしさがたまらない。お昼を過ぎて来場客も少し減り始め、私たちも移動。
農業まつりの会場から車で10分ほど。新宮熊野神社へ到着。こちらも会津三十三観音めぐりのひとつとなっており、昨年までのシリーズ「ゆるりと会津たび」の新作となりました。壁も扉も無い44本の太い柱に芧葺寄棟造り拝殿を長床と呼ばれており、国指定重要文化財に指定されています。平安末期に建立された寝殿造の建物で、境内にある樹齢800年のご神木・大イチョウが長床を彩っています。立派な太い幹と高い枝を見上げ、40歳弱の若輩者はただ圧倒されるばかりです。さすが名所とあって、観光客が大勢写真に収めておりました。
福島県は紅葉シーズンも終わりの時期でしたが、長床の大イチョウはまだ半分色づいたくらいでした。見ごろは1週あとの11月半ばのようです。例年ライトアップもされ、夜に黄色く照らし出される大イチョウは格別のようです。我が家は稲作を行っており、稲刈り後の片付けやメンテナンスで紅葉を見逃してばかりですが、次回は落葉の黄色い絨毯を観に訪れたいと思います。まだまだ県内にはイチョウや桜などの隠れた名所がたくさんあります。これからも四季折々の情報を発信していきます。