環境省発行のパンフレット「地中熱利用システム」によれば、「地中熱」とは、地表からおよそ地下200mの深さまでの地中にある熱のことをいいます。このうち深さ10m以深の地中温度は季節にかかわらずほぼ安定していて、夏は外気温より冷たく、冬は外気温より暖かい性質を持っています。
そして、この安定した熱エネルギーを地中から取り出し、冷暖房や給湯、融雪などに利用することを「地中熱利用」と呼んでいます。
それでは、なぜ地下10m以深の温度は一定になるのでしょうか。図-1で1年を通じての地中温度の変化に注目してみましょう。図-1のグラフには各季節の最高最低温度を示すマークを入れてあります。夏のグラフでは最高温度が地表にあり、秋では地下3mに、冬では地下6mにあります。このことは夏の太陽から受け取った熱エネルギーがゆっくりと地下に伝わっていくことを示しています。