2019年10月12日午後7時に伊豆半島に上陸した台風19号は、13日未明にかけて関東地方を縦断し、福島県南部を通って太平洋に抜けた。台風は広い範囲に記録的な豪雨をもたらし、1級河川を含む多くの河川を氾濫させ、各地に深刻な被害をもたらした。
1.被害の状況
2.降雨量の衝撃
台風19号は福島県の各地に記録的な豪雨をもたらし、県内23河川の49か所で堤防が決壊した。
中でも阿武隈川では、1998年8.27水害の経験から、150年確率の降雨強度に対応して平成の大改修が行われ、洪水の危険はほとんどないと安心が広がっていた。しかし、19号による雨量は、設定された降雨強度に対し105%に達したという。150年に1回という想定を超える降雨強度が21年後に再来したのである。阿武隈川以外の河川では、150年確立に対応する河川整備が完了していないことを考えると、19号の降雨記録は、福島県のほとんどの地域でがいつ水害に合うかわからない、という恐怖にさらされることを物語っている。
3・地球温暖化の脅威
二酸化炭素排出による地球温暖化については、一部に疑問視する声もあるが、科学的な事実として認め、どのように進行を遅らせるか、既に進行してしまった影響にどのように対処するかを人類共通の課題として最重点に取り組まなければならない。
温暖化により、日本では集中豪雨や台風の異常発達による気象災害が巨大化すると早い段階から指摘されている
台風19号による豪雨災害からどのような教訓を導き出して、被害を最小限に食い止める対策を実施するか、行政や学者だけでなく、一人一人の県民が参加して考え行動しなければならない時代になっていると思う。
気象災害から住民を守るのは、学者と行政の責任だと他人任せでいてはならない、住民が参加し、官民が共同で当たらなければ、さらにひどい災害に見舞われることは避けれられない。私どもは住民と官民一体の防災対策のために微力を尽くしたいと思う次第である。