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地盤の問題と地盤調査(3)[シリーズ4回]

1・はじめに

土と水第80号の地盤の問題と地盤調査(2)-地盤調査の基礎知識-では、地盤調査の重要性や地盤調査の役割を記し、地盤調査の目的が土木・建築構造物の建設,地盤災害対策(防災),構造物の維持管理及び環境保全など地盤調査の対象業務によって異なることを示しました。ここでは、建設事業(土木・建築構造物の建設)のための地盤調査計画の立案について記します。

その前に、地盤力学と地盤工学について若干説明させていただきます。

地盤力学(土質力学と岩石力学)と地盤工学(土質工学と地質工学)の関係性について、斎藤1)は、「地盤力学は科学(science)であり、地盤工学は技術(art)である」と書いています。つまり、「科学は真理の探究を目的とし、技術は、現実問題の解決を図るものであり、技術にとって科学は有用な基盤ではあるものの、十分な条件ではなく、地盤力学のどの成果も現実問題の解決のためには、実構造物についてその成果が確かめられ、必要な修正がなされなければならない」とも書いています。

地盤調査は、地盤力学と地盤工学をつなぐ直接的な実務であると言えます。つまり、地盤調査は、原位置試験や試料採取及び物理探査などを行って、地盤の構造や物理特性を把握し、採取した試料を室内に持ち帰って物理的特性や化学的特性及び力学的特性に関する試験を行います。これらの結果をもとに構造物が築造されることになります。このため、地盤調査の計画を立案するためには、地盤力学や地盤工学などの知識と十分な経験が必要となりますが、これで十分ではなく、土木構造物や建築構造物に関する知識と経験も必要となります。

つまり、地盤調査は、実務として測量業務の後に行われ、その結果は、設計・施工に受け継がれるものであるため、調査が不十分であったり、調査の誤りや調査結果の判断が不適切であった場合には、設計や施工において大幅な手戻りが生じ、工期延長となったり、供用年数が短くなったりする可能性もあるからです。したがって、これらのことを肝に銘じて調査計画の立案を行うことが重要です。

2.地盤調査計画の立案

土木・建築構造物などに宙に浮いたものは無く、地盤の上あるいは地中に築造されますので地盤の中を調べる必要があります。地盤調査は、築造する構造物を安全に施工し、長期的に安定して支えるなどのための地盤情報を得る目的で実施されることから、その計画を立案する手法について示します。

(1)地盤調査計画立案の流れ
計画立案の流れは、どの段階の調査か→調査の目的は→既存資料の収集・検討(問題点・必要な情報の整理)→調査位置・調査方法の選定→調査精度・数量の決定→調査計画の完成となります(表-1参照)。

表­-1 地盤調査計画立案の流れと構造物及び検討項目

(2)調査目的の確認
地盤調査計画は、調査対象に応じて的確な調査計画を立案することが重要です。地盤調査に用いる手法は、対象とする構造物や事業の内容によって異なるため、経済的で最適な調査計画を立案することが大切です。また、建設工事の場合、工事の計画段階なのか設計あるいは施工段階なのかなど、各段階で必要な調査項目が異なります。

計画立案にあたっては、表-2に示す項目を十分理解し、把握しておく必要があります。

表­-2 調査計画に必要な項目と条件

以上の項目のほか、表-1のc)既存資料収集・検討において示した既存資料,周辺地域での文献資料,空中写真,ボーリング柱状図などの資料を可能な限り入手し、地盤工学的問題点を把握しておくことが重要となります。その上で上記項目と合わせ、調査項目として何が必要なのかが明確になります。特に、既存資料から調査計画地域の地盤を推定する際に地盤の弱点となる軟弱地盤の厚さの変化や断層破砕帯の存在などの地形・地質に関する基礎知識が必要となります。このため、調査計画の立案では、地盤力学や地盤工学に精通し、豊富な経験を持つ技術者に関与を求めることも重要となります。

(3)地盤調査の段階
地盤調査は、構造物の規模によって進め方が異なります。大規模構造物(大きな構造物や線上に長い構造物)の調査の場合には、問題点を探りつつ、概略調査から詳細調査へと段階的に進めることが経済的であり、地盤リスクの低減にもつながります。一般的には、予備調査,本調査,補足調査の段階で進められます。表-3に各段階での調査内容を示しました。

表­-3 一般的な地盤調査の段階(予備調査・本調査・補足調査)

この他に、施工時に調査時とは異なる地盤条件が出現した場合などに行う「施工管理調査」や完成後の供用時に構造物の予防保全・補修・補強などを目的とした「維持管理調査」などが加わります。

(4)調査方法と得られる地盤情報
調査の結果得られる地盤情報は、地盤の構造,強度・変形特性,透水性などが挙げられますが、個々の調査方法によりその特性が異なります。表-4には代表的な地盤調査方法と得られる地盤情報を示しました。この表などを参考として地盤調査方法を選定します。

表­-4 代表的な地盤調査方法と得られる地盤情報2)

事業の初期段階に実施される資料調査や地表地質踏査などは、概略ではあるものの広範囲にわたる情報を把握するために有用です。また、最も一般的に実施されるボーリング調査では、地層の分布状況を把握し、そのボーリング孔を利用した各種の原位置試験などで地盤の硬軟,変形特性,透水性などを把握することが出来ます。

物理的な性質を調べる物理探査や物理検層などは、弾性波速度や見かけ比抵抗値などが得られます。弾性波は地盤の硬さ、見かけ比抵抗値は地盤の透水性とそれぞれ関連を持っていますが、その特徴を正しく理解してほかの地盤データとも組み合わせて総合的に結果を判断する必要があります。サウンディングは、主に地盤の硬さに関する情報が得られます。

(5)調査方法の地盤適用条件
調査方法を選定する場合、目的や求めるべき地盤定数などを考慮することは重要です。ただし、各調査方法には地盤によって適用限界があり、地盤に適した調査方法を選定する必要もあります。特に、地盤の硬さに応じた適切な方法を用いなかった場合、調査が不能となったり、精度に問題が生じることがあります。地盤条件や調査可能深度などの制約条件、得られる情報の精度など調査方法による適用性を考えて調査方法を選定する必要があります。図-1には、ボーリング・サンプリング・サウンディングの地盤適用条件を示しました。地盤調査計画を立案する場合には参考となる資料です。

図-1 ボーリング・サンプリング・サウンディングの地盤適用条件2)

(6)調査数量について
調査数量は、対象とする構造物の種類,規模,重要度と地質の複雑さにより異なります。つまり、事業規模が大きく地質が複雑であれば調査数量は多くなります。

また、調査数量は、結果の精度に影響するだけでなく、調査費,調査期間にも大きく影響します。地質状況がよく分からない段階で調査を計画しますが、調査の進捗とともに地盤状況が明らかになった場合には、それに応じて調査計画を変更していくことが重要です。調査数量は、平面的な調査箇所とそれぞれの地点での調査深度を決めなければなりません。調査深度は、図-1に示すように調査方法により適用限界があることを念頭に置く必要があります。

3.事業段階に応じた地盤調査計画

(1)計画段階における地盤調査
建設事業の計画段階に対応する地盤調査は、一般に予備調査と呼ばれるものがこれに該当します。予備調査は、建設事業を起案するための基礎資料を収集することですが、次に行われる概略設計を念頭に置いて行われます。つまり、資料収集のみではなく、現地踏査が行われます(表-5参照)。資料調査を実施しても、計画に関連する資料が当該地周辺に存在しないことがあります。このような場合には、計画地の中央か設計上重要な地点でボーリング調査を実施することにより貴重な資料が得られことになります。この資料をもとに計画を進めることによって、事業進捗に伴う修正・変更を少なくすることができます。

(2)予備設計における地盤調査
予備設計に対応する現地調査は、精度を上げた現地踏査が中心となりますが、その他に物理探査や代表地点でボーリングを行うこともあります。

物理探査は、広域にわたる調査が出来る長所があり、広い範囲の地盤状況を大まかに把握する手法として優れています。このため、予備調査的な調査計画に組み込むことがふさわしい場合があります。

つぎに、代表地点でのボーリングですが、構造物にとって最も重要と思われる地点または代表的な地質構造を表すと考えられる地点でパイロット的にボーリングを行い、このデータをもとに予備設計を行うことができます。

(3)実施設計に対応する地質調査
実施設計を目的とした地質調査は、最も本格的なものであり、本調査がこれに該当します。実施設計に必要な地盤情報を得るため、目的に応じた最もふさわしい調査手法を選定します。分野ごとに計画する場合の調査のポイントを表-6に示します。

表-5 資料調査と現地踏査
表-6 実施設計における各分野の調査のポイント

(4)詳細設計で問題となった指摘事項を明らかにするための補足調査
本調査で得られたデータをもとに詳細設計に移行しますが、設計の過程で新たな問題が発生することがあります。その解決のため、新たな調査を実施する必要がある場合に補足調査を行います。これを避けるため、本調査に十分な費用をかけたとしても、新たな問題が発生する可能性があり、各段階でふさわしい費用で対処し、問題の発生に応じた変更処置をする方策を採用したほうがトータルコストは少なくなります。したがって、補足調査は必要に応じて実施すべきものです。

例えば、構造物の支持層として深部に十分な支持層が存在し、本調査はそれを確認して終了したとします。その後、構造物の規模が変更になり、上位の不完全な支持層でも支持させる可能性が出てきた場合、新たに不完全支持層に支持させることが可能かどうかの調査をすることがあります。また、トンネルの工法がシールドから都市NATMに変更されたり、地盤情報が施工の可否を決定する微妙な結果である場合には、さらに精度の高い調査手法を適用する場合があります。

(5)施工段階における調査・施工管理のための地質調査
施工段階で設計変更や工法変更などが生じることがあります。これに伴い必要に応じて地質調査が実施されますが、この場合の調査方法は本調査と同じであり、不足している部分を補うものです。例えば本調査結果と異なる地質や地盤が出現した場合などがこれに該当します。

これに対し、施工管理のための調査は、品質管理のためのものと安全管理のためのものがあります。品質管理のための調査は、各構造物の種類ごとに必要な試験を行うことであり、例えば盛土材料の品質や締固め管理のための基準に関連したものなどがあります。安全管理のための調査は、施工に伴う地盤の変状を監視する計測が主となります。この計測は、動態観測とも呼ばれ、計測結果により施工をコントロールすることになります。

4.おわりに

(1)地質リスクマネジメント 3)
ここまで地盤調査計画の立案についてお話ししましたが、もう一つ重要な考え方があります。それは建設事業の実施に際して、できるだけ早めに地質リスクを洗い出しておくことによって、その後に対応できるチャンスが飛躍的に広がるとの考え方です。

地盤の中は見えませんが、地域の地形・地質に精通した技術者が丹念に調べれば、断層の存在や地すべりの可能性、地盤の堆積環境から軟弱層の存在を疑ったりするようなことが可能となります。それに基づいて、適切な地盤調査計画について助言したり、施工上想定されるリスクなどについてもコメントする技術者が地質リスクエンジニアです。地質リスクを建設事業の構想・計画段階のみならず、調査・設計・施工段階、さらには維持管理の段階においても抽出・検討することは極めて重要です。このような地質リスクに関する抽出・検討を行うことを「地質リスクマネジメント 3)」といいます。

今後は、このように地質リスクを抽出できる地盤調査計画を立案することにより、地質リスクが発現した場合や発現する前に対応できる方策を提案できるようにすることが期待されます。

(2)豪雨による災害の発生例
令和4年(2022年)8月3日夜間~4日未明の豪雨(8/3の8:00~8/4の8:00までの連続降水量276mm)によってJR磐越西線の濁川橋梁が崩落しました。

この橋梁は、明治37年(1905年)に使用開始され、117年が経過しています。平成28年(2016年)に「磐越西線鉄道施設群」の一部として土木遺産に認定されていました。

この後、JR磐越西線濁川橋梁の復旧に向けた地盤調査が行われることになると思います。近年の豪雨においては、土木構造物の被害が数多く見られるようになってきました。図-2に示す気候変動監視レポート20214)においては日本の日降水量100mm以上及び200mm以上の年間日数の経年変化(1901年~2021年)は、121年間でともに増加しており、今後も豪雨災害に関する備えと対応が重要になってきます。

写真-1 磐越西線濁川橋梁の橋脚洗堀を上流から写す
写真-2 洗堀されて傾いた濁川橋梁の橋脚を喜多方市街側から写す
図-2 日降水量100mm以上及び200mm以上の年間日数の経年変化(1901年~2021年)4)

本「地盤の問題と地盤調査(3)-地盤調査計画の立案-」においては、(一社)全国地質調査業協会連合会の改定3版「地質調査要領」を参考にさせていただきました。感謝申し上げます。また、室内土質試験の項目や試験方法についての詳細については、別の機会にお話ししたいと思います。
次回は、「地盤の問題と地盤調査(4)-土壌汚染・地下水汚染に関する調査-」として地盤環境に関する地盤調査について技術部 部長代理 藤沼伸幸(土壌汚染調査技術監理者、技術士)が執筆します。

<出展・参考・引用資料>

1)齋藤廸孝:土質工学における誤りやすい諸問題,土質基礎工学ライブラリー4土質調査試験結果の解釈と適用例― 第1回改訂版―,社団法人土質工学会,p.1,平成2年9月30日
2)改訂3版地質調査要領:(一社)全国地質調査業協会連合会編,p.9~17,平成27年9月18日
3)地質リスクマネジメント入門:地質リスク学会・社団法人全国地質調査業協会連合会共著,平成22年4月20日
4)気候変動監視レポート2021:気象庁,p.56,令和4年3月

第81号 2022年10月号 表紙
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第2章 地盤の問題と地盤調査(3)[シリーズ4回]
第3章 新入社員紹介
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第5章 私の山紀行 第38回「地球温暖化の夏山、それでも頂を目指して!」
第6章 花火とともに [─浅川町─]
第7章 お天気フィラー放送中!【制作メイキング話 part4】
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