最近また日本酒を吞むようになりました。子供たちも大きくなり、(生活の忙しさは変わらないかそれ以上ですが)自分時間をお酒で楽しんでいます。今回は久々に酒蔵と日本酒のご紹介です。通は日本酒に蕎麦を嗜むようですが、今回訪れた福島県南会津町には4つの酒蔵があり、日本蕎麦も名産です。南会津で育まれた地物堪能の旅を行先に加えてみてはいかがでしょうか。
【南会津町】
南会津町は福島県の南西部に位置し、栃木県との県境に面しています。人口13,972人(令和5年4月1日現在)の自然豊かな町です。平成18年に田島町、舘岩村、伊南村、南郷村が合併して南会津町となりました。交通は鉄道と自動車移動が主で、会津若松市と会津高原尾瀬口駅とを結ぶ会津鉄道会津線、会津高原尾瀬口駅からは野岩鉄道会津鬼怒川線が連絡しています。登山、スキーやゴルフ、キャンプ、温泉施設も豊富で、一年中楽しめます。
国権酒造
国権酒造株式会社さんは、南会津町(旧南会津郡田島町)に明治3年創業の約150年の歴史をもつ酒蔵です。
季節限定品を含めて常時20種類の日本酒を製造販売しています。現在仕込みは終わって落ち着いている時期ですと細井社長。(取材当時4月中旬)国権酒造はすべて特定名称酒・上級酒※1のみの製造にこだわり、広告・宣伝費をかけるよりは全国新酒鑑評会※2で金賞をとるというモットーで酒造りを行っているとのこと。現在、商品に使う酒米の6~7割に地元米を使われているそうです。地元南会津で収穫している酒造好適米夢の香を100%使用した純米酒、「特別純米酒 國権 夢の香」、福島県が新たに開発した酒造好適米福乃香を100%使用した「山廃純米吟醸 國権 福乃香」などがあります。
田島地区で毎年開催されている会津田島祇園祭は、神への供物である御神酒がどぶろくで、国権酒造が指示して仕込みを行うそうです。どぶろくはアルコール度14~17度と清酒ぐらいあり、酒税法に基き酒類となっています。醸造にあたっては国税庁への許可申請が必要となっており、許可を得られれば、どぶろくの醸造を行うことができます。会津田島祇園祭のどぶろく造りは祭礼を行う、田出宇賀神社・熊野神社の製造免許を受けて行われています。祇園祭は新型コロナウィルス予防の観点から、ここ数年は地区で内々に行っておりましたが、2023年度はおそらく観光客を迎えての開催になるのではないかとのことです。(詳細はこれから決定)ここまで祇園祭とどぶろくについて多く述べましたが、国権酒造さんは、古くから田島の土地に寄り添い、地元の方々に親しまれてこられたんだなと感じました。
細井社長は生まれながらに日本酒の世界にいらっしゃる。さぞかし大酒呑みなのかと思いましたが「私は下戸なんです。甘党ですね。」私たち取材班もびっくり。しかしながら、史上最年少で鑑評会の審査員を務められたこともあり、味覚は鋭く確かです。
取材は蔵を改築した事務所でお話を伺いました。道路沿いの玄関口にはお店が併設されており、お酒の販売も行っています。お越しの際は、店休日や在庫などご確認されることをおすすめします。現在試飲は行っていないそうですが、ご自分の好みなど伝えながらゆっくり選ぶと酒蔵ならではのお話が聞けるかもしれません。私はラベルを見ているだけでも心は躍り、垂涎ものですが。
帰宅してさっそく開栓。今夜は「純米生原酒 國権 垂れ口」にお付き合いいただきます。ラベルを見ながら一口。今の時代に男らしい女らしいという表現はそぐわないかもしれませんがあえて、若々しい男性のようなお酒という印象。先述した夢の香が使用されています。美味しい。私の場合日本酒をいただくと酔うというより、気持ちが引き締まり頭も冴えた感じがして、体はぽかぽかして暖房いらずになります。冷え性や血行に悩む女性には日本酒をおすすめしたい。
国権酒造株式会社
〒967-0004 福島県南会津郡南会津町田島字上町甲4037
TEL0241-62-0036 FAX0241-62-3878
営業時間/9時~17時
※お問い合わせ、ご注文はお電話でお願い致します。
公式ホームページ http://www.kokken.co.jp/
蕎麦みやもり
南会津も蕎麦どころ。お昼は蕎麦にしようと彷徨っていると、会津鉄道会津田島駅前を通過するとのぼりが見えたので、さっそく寄ってみました。蕎麦みやもりさん。駅のロータリーの一画という初見でも分かり易い場所です。入店し、取材の旨を伝えると快く応じてくださりました。天ぷらに目が無い私は欲張って天せいろ+蕎麦大盛で注文。取材当日は途中雪が舞うくらい肌寒い日でしたが、蕎麦はやはり冷たくないと蕎麦の味が楽しめない派です。
サービスで珍しい筍のお漬物を頂きました。ほどなくして天せいろが提供され、美しいお蕎麦が。まずは蕎麦を何もつけずにすする。ふんわりと蕎麦の香り。するとご主人が丁寧に説明をしてくれました。まず天ぷらがおすすめなので、揚げたてのうちに召し上がってほしいとのこと。食べ応え抜群の海老、地元田島の名産アスパラ、筍、さつまいも、舞茸、ニシン、茄子、ふきのとう ボリュームがあります。衣がサクサクで風味も良い。アスパラも海老も具材の揚がり具合もちょうど良い。美味しい。久しぶりに美味しい天ぷらに出逢えました。
みやもりという店名から、ご主人が地元出身かと思いきや、(宮森さんというお名前は会津にいらっしゃるので)数年前に千葉県から移住して店を始めたとのこと。蕎麦粉は南会津で自家栽培され、蕎麦打ちを行っているこだわりのお店です。次回は蕎麦好きの家族を伴って来ようと思います。お品書きには国権のお酒も。蕎麦と天ぷらと日本酒をゆっくり堪能したいものです。
取材前に蕎麦店を調べていた際、臨時休業と表示されていましたが?と尋ねると少し前に体調を崩され、まだ本調子ではなく不定休とのことです。(この日は営業されていた)遠方からお越しになる際は、事前にご連絡・ご予約される方が良いですね。蕎麦好きの方はぜひ特盛を。
蕎麦みやもり
〒967-0004 福島県南会津郡南会津町田島字西番場甲361
TEL0241-62-3070 携帯電話 090-4736-7425
【営業時間/11時~15時 不定休】
※事前にご連絡をお願い致します。
公式ホームページ https://www.seyes.jp/miyamori/index.htm
※新協地水(株)技術部(土と水編集長)