福島県の湧水シリーズ |
谷藤允彦※
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郡山市磐梯熱海温泉と猪苗代町中ノ沢温泉を結ぶ母成グリーンライン沿いにはいくつかの湧水がある。このうち、母成峠頂上のすぐ北側にある「峠の清水」と、頂上から少し南に下がったところにある「八幡清水」を取り上げてみる。この2つの湧水は、篤志者の御努力により道路わきに水汲みが出来るようにVP管が設置されていて、一般に開放されている。
湧水への案内
湧水の沿革
母成グリーンラインは1976年に有料山岳道路として整備され、2006年からは無料開放されている。
地下水の湧出機構
(1)八幡清水
地下水の水質
どちらの湧水も溶存イオン量が非常に少ないことが特徴であり、汚染指標である硝酸・亜硝酸イオンも少ない。非常にきれいな水ということが出来よう。
湧水を守る努力
峠の清水を守っているのは、テントの売店を経営する佐藤石江さん(75歳)ご夫妻である。佐藤さんは、水源から水汲み場までの配管を春に設置し、冬前に撤去して、水汲み場を守っている。営林署から水源地と売店の土地を借用するため、年額9000円を負担するだけでなく、天然水を求める人たちのために、飲料水の水質検査を毎年行っているということである。ご夫妻は定年退職後、山菜とりと高原野菜栽培をはじめ、売店を開設してから8年目になる。お2人の穏やかな風貌の中に、自然とともに、自然の中で自然を守りながら生きている、という人間力の強さを感じさせられました。 |
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