水資源の管理システムやシミュレーション技術では米国に遅れを取った欧州各国はEUの発足を期に、今まで地道に活動してきた環境行政と飲料水の100%近くを地下水に依存していることも合わせて、水環境問題の世界的な主導権を握ろうとしているようです。その中でもデンマークは福祉と環境に独自のスタイルを構築してきたこともあって、EUの環境庁をコペンハーゲンに誘致し、世界の環境情報センターを目指しています。
第2回目で米国環境保護庁の話を致しましたが、米国、日本に続くGDP第3位の大国ドイツはと申しますと1996年の連邦環境省の予算は13.18億ドイツマルク(約922億円)で、人員も環境保護庁と連邦放射線保護庁を合わせても、2,150名程度でそれほど多くはありません。しかし、ドイツ連邦内の州政府・地方自治体・民間団体・民間企業で約100万の人々が環境保護及び修復部門で働いており、その支出総額は191.59億ドイツマルク(約1兆3411億円)に達します。
ドイツ・カッセル大学農業工学・自然保護科のトマス・シュタイン教授が作成した水文学や灌漑排水、水環境に関するプログラムを集めた良く整備されたデータベースで、古くから農学関係の水文学研究者には良く知られたサイトです。水文解析、用水路システム、排水計算、水理構造物、パイプ網など100以上のソフトを集積していて、インターネットのブラウザが無くてもFTPサイトからプログラムなどのダウンロード可能です。
1995年の環境法によって発足した英国環境庁のホームページです。我々がいう英国とはイングランドとウェールズ、スコットランドの連合王国のことですが、この環境庁は正確にいうとイングランドとウェールズの環境庁です。環境庁は政策を決定する内閣の一員ではなく、実際に政策を実施する機関でいわゆる外局、エイジェンシー(Agency)で、内閣の環境政策は環境・交通・地方省DETR (Department of the Environment, Transport and the Regions、http://www.detr.gov.uk/)で決定します。
英国の地質コンサルタント、スピンク氏が作成したソフトウエアのディレクトリーで、現在、地盤工学や土質工学、岩盤力学、応用地質学、水文地質学に関する1037のプログラム・カタログが記載されおり、データ解析やデータ表示に関する644の世界的なサプライヤーとそのプログラム名も載せてあります。また、28のWWWに直接リンクでき、地盤工学と地盤環境工学の実務者のために無料のプログラムも入手できます。コマーシャルソフトばかりでなく、シェアウエアやフリーのソフトもありますが、使い勝手や性能などについてスピンクス氏は保証致していませんので、利用者の責任でダウンロードしてお使い下さいとのことです。なお、ここに掲載されている地下水モデルは世界的にも評価の高いもので、IGWMC(国際地下水モデリングセンターhttp://www.mines.edu/igwmc/ )のPaul van der Heijde所長もこのディレクトリーの作成に協力したようです。
最後はペンステートと呼ばれる米国ペンシルベニア州立大学の地球及び鉱物科学部<http://www.ems.psu.edu/>にあった水文地質学者のHPですが、現在は独立したアドレスになっています。このHPの特徴は地質学や水文学、水文地質学に関連した多くのHPのリンク集ですが、政府機関・大学・民間研究所・ソフトベンダーなどの分類だけで詳しい説明はありませんので、地球科学に関して米国の大学や研究機関の事情がある程度判らないと全部にアクセスしなければ詳細は判りません。
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