寄 稿 
地球環境に優しい回転埋設鋼管杭
ブレードパイル
福島県郡山市富久山町久保田字本木3-7
TEL:024-939-5507
有限会社 住環境設計室
代表取締役
影山 千秋

イラスト
影山 千秋(かげやまちあき)氏 略歴
1974年 日本大学工学部建築学科卒業
1974年 トヨタコンクリート(株)入社
1982年 日本大学工学部工学研究科修了
1987年 (株)環境計画共同設立
1995年 (有)住環境設計室設立 現在に至る

・日本建築家協会会員
・郡山市まちづくり推進協議会アドバイザー




くいをのこす ≪ブレードパイルを作った訳≫
 何の変哲も無い鋼管の一端を少し捻ってみました。それがブレードパイルになりました。特許になり、製造・販売代理店は10社を超え、多くの人々が関りを持ってくれています。少しは社会の役にたっているなと思い始めています。
 1995年阪神淡路大震災、神戸の街を3日間歩き廻った感想は、地震で毀れたものは全て人工物、自然は何も変らずにそこにあったということでした。 34年前 建築の勉強を始め、地震国日本の耐震技術は世界最高水準であると教えられました。それなのに神戸の街は・・・。
 規模の大きな建築物では設計の前提として必ず地盤調査を行い、相応しい基礎設計又地業の選択をして予算化し施工されますが、庶民の住宅の場合はどうでしょう。地盤の強度については、設計者も無関心か無視、問題が起きそうな時はフーチングを拡げるかベタ基礎。限られた予算の中では十分な地盤改良や杭地業は考えることは出来ても、採用は困難です。建物の基礎・地業が大切なことは誰でも知っていますが、経済という自縛から逃れられずに、安易な妥協で施主も設計者も納得してしまうのです。技術者としては情けないことです。
 ならば、設計に悔いを残さず、安全性を高めるために、住宅建築でも使える安くて信頼性の高い地業を考えることは間違ってはいないし、そんな技術が日本中で使われたらこれは楽しいことになる。と無謀な事を思ったのです。
 そして、開発の方針を
と決め、これらの条件から、鋼管・絞り加工・回転埋設の可能な杭を一つの解答としました。
 それから、平成12年3月1日建築基準法等38条の認定までのとんでもない日々が始まった訳です。

ブレードパイルの正体
 外径190.7mmの一般構造用炭素鋼鋼管STK400の一端を(図−1)のように冷間加工したもので、地面に立てて鉛直力を加えながら回転させると、音も無く地中に貫入していくという鋼管杭なのです。長いものでは16m短いものでは1.5mまで。設計支持層まで埋設し、杭先端及び杭周面摩擦により支持力を得ることが出来ます。
 施工に当って専用機は無く、小型バックホウ、地盤改良機、杭打ち用アースオーガー等都合の良いものを利用します。従って、施工コストの低減にもなり、専用重機を遠い現場まで搬送する必要も無く、近くのリース業者への手配で済み、速やかに普及させるにも好都合な結果となりました。
 何故、ブレードパイルは貫入するのかについては、機会があればその秘密を公開します。

図
(図-1) 杭材及び杭先端形状
図
ブレードパイル先端形状
図
ブレードパイルと拡底板(φ400mm)


ブレードパイルの特徴
(1)低騒音・低振動
鉛直力と回転力を加えることで施工出来るため、今までの杭打のイメージは全く無く、既存の住宅街での施工も問題ありません。

(2)排出土無し・安全迅速
正確に表現するとブレードパイルは排土杭です。つまり、杭の体積に相当する土を杭周辺に圧密させて杭を貫入するので、残土は全く出ない訳です。施工は一工程ですから施工時間は短かく、住宅一棟は一日で完了します。

(3)環境に優しい
地盤改良やセメントミルク注入杭工事のように、発ガン性物質の六価クロムで地盤や地下水を汚染することはありません。

(4)高い信頼性
JIS規格の鋼管を使い、確実に支持層まで到達したことを確認します。許容支持力の算定については建設大臣の認定を得ています。

(5)汎用性・不整地・傾斜地での杭施工
建築物の基礎杭としてだけでなく、様々な用途に利用でき、バックホウの入れる所なら地盤が悪くても傾斜地でも杭施工出来ます。これは、杭打専用機では不可能なことです。



写真 写真 写真
住宅用基礎杭 鉄塔基礎杭 地滑り抑止杭


ブレードパイルの施工例
 ブレードパイルは、建築、土木を問わず使用できる新しい鋼管杭です。土木工事であれば、鉄塔基礎杭・地滑り抑止杭・擁壁等の基礎杭・看板等の基礎杭・防風壁の基礎杭・仮設工事等ある程度の不整地でもバックホウが入れる所では、使用することが出来ます。



ブレードパイルのこれから


ブレードパイルについてのお問い合わせ・工事の御注文等は
新協地水(株)までご連絡下さい!!



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