環境保全と地域づくりに役立つ企業として成長したい
代表取締役会長 小松田精吉
代表取締役社長 谷藤 允彦
1.地域の皆様に支えられた25年
我が社は1975年(昭和50年)12月23日に設立登記し、翌年夏から本格的に営業を開始しました。激動の中を25年間生き抜いてこられたのは、多くのお客様、協力者の方々、協力業者や資機材納入業者の皆様などのご支援ご指導があったればこそです。我が社の25年を支えてくださいました皆様に心から厚く感謝申し上げます。
今年上半期を25周年お客様感謝期間として、高齢化社会の介護問題をテーマとした映画「ホーム・スイートホーム」へのご招待、健康と癒しのひと時をスーパー銭湯『長寿の湯』で過ごして頂くための入湯券など、ささやかなプレゼントをさせていただいております。
この25年間我が社を支えてくださいました多くの方々のご期待に本当にお答えする道は、「土と水」の仕事を通して地球環境を守るために貢献し、住み良い地域作りに一層協力できる会社に成長させることであると、決意を新たにしております。
2.新協地水3つの経営理念
我が社は創業当初から、次の3つの側面から経営理念を定義して追求してきました。
一つは、企業の社会的責任をどのように考え、地域社会と向き合うかということです。
仕事の大部分が公共事業や開発工事に直接かかわることであり、自らの戒めとして、地球環境保全に配慮すること、住民中心の地域作りに貢献することを掲げました。
二つ目は、仕事と顧客との関係についてどのように考えるべきかということです。
創業時から「誠実・正確」をモットーにし、お客様のニーズに応える技術提案能力を高めることを重視してまいりました。
三つ目は、会社と社員の関係のあり方の問題です。
我が社に特定のオーナーは居らず、社員が会社を運営する主体であるという考え方の下、全社員参加の経営を追求してきました。
21世紀を迎えるに当たり、我が社は経営理念を再定義し、次の3つを理念として定式化しました。
新協地水は、土と水の仕事を通じて住み良い地域づくりと地球環境保全に貢献します。
新協地水は、土と水の仕事を通じて顧客のニーズに誠実、正確にお答えします。
新協地水は、土と水の仕事を通じて社員の幸せと社会の発展を目指します。
現在の我が社の到達点は、この理念に照らし合わせるとごく初歩的な段階です。この経営理念を全社の全ての活動に貫いて実践できるようになることが、21世紀に生き抜き発展できる保証になると考えます。
3.21世紀に発展する企業を目指して
失われた90年代といわれる社会・経済の停滞が続く中で、さらに一段の景気悪化が懸念され、従来型の公共投資が激減するなど、私たちの業界を取り巻く経営環境は誠に厳しいものがあります。
21世紀は、社会が必要とする事業に科学的かつ合理的な方法で取り組む企業、異業種・他地域とのネットワークをもって顧客ニーズに多面的に応えられる企業だけが、お客様から選ばれ発展できる時代になると考えます。
我が社は、経営革新計画を策定し、昨年夏に福島県知事から認定を受けました。計画は、多目的深井戸洗浄機の開発と特許申請を軸にした深井戸・温泉保守管理事業、個人住宅地盤の安定と汚染の調査診断事業、自然エネルギーと素材を活用した環境対応事業への取り組みなど、新規事業展開を柱にしたものです。
また、福島県で発明された画期的な回転埋設鋼管杭工法である‘ブレードパイル’の事業化に発明者と協力しながら取り組み始めました。この中でブレードパイルを基礎とした新たな鉄塔基礎工法‘グランドスパイク’について、共同で特許を申請することが出来ました。さらに、水と自然エネルギーを活用したビオトープや親水公園づくりなど、他分野の企業や研究者との共同も進みつつあります。
我が社は、「新協地水3つの経営理念」に基づき、
環境保全への貢献を軸に、地域住民の必要とする事業に取り組み、安全・安心・快適な地域作りに役立つこと
お客様の抱える問題解決をはかるため、福島県という地域の壁と、地質調査さく井工事という業種の壁を越えた技術と事業のネットワークを構築すること
全社員が経営に主体的に参加して、仕事の中に喜びと満足を共有し合える、21世紀型の新しい企業を作り上げること
を目指して、役員・社員共に一丸となって一層の努力をしてまいる所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
特 集
新協地水と共に歩んだ25年
創業から現在までを綴る
当社の25年と私
取締役 渡辺昭子
一世紀の1/4である25年、私の人生も新協地水と共に経過しました。まずこの25年間多くの方々に支えられて歩み続けられましたことをこの場で感謝申し上げたいと思います。当社の創業は資本を提供するオーナーがいて発足した訳ではなく、やむにやまれなく有志が集まり資本を持ちより会社を設立したという事情がありました。
地質調査・さく井工事等の技術を頼りにスタートし、今日迄会社が存続できたことは直接、間接に多くの良き支援者に恵まれたということや、『経営理念』の精神を根底に誠実に歩み続けてきたことと思っております。
25年前の創業者は、社長はじめ20才代から30才代と若さ一杯の経営陣でした。恐れを知らず失敗しながらも果敢に挑戦しながら本日の基礎を築き上げました。
財政的には決して豊かとは云えないが、連帯と信頼を基本に課題を追求する社風は当社の優れた資質の一つです。現在は優れた人材が育ちつつありこれから先も、地域貢献できる会社であり、又社員にとっても生きがいの持てる会社として成長続けたいと思います。
工事現場の25年をふりかえり
メンテナンス部長 青山勝男
オイルショックの時代、当社は昭和50年12月23日、郡山市五百渕にあったヴァンローゼに於て、会社設立総会を開き、各方面の方々のご臨席の上発足しました。
当時の社長は新協建設工業(株)専務の星野輝夫氏(現当社副会長)が就任し、地質調査を主体に社員10名で細々と始まりました。
受注は設計・建設・設備関係の会社との個人的なつながりによるものと、同業者からの公共事業の下請でした。その後、大手会社の下請で集水井の横ボーリングを行うようになり、ロータリーパーカッション(横ボーリング機械)を森田前会長の時に購入してからは、市町村の集水井工事がなされるようになり、受注額も以前と比べアップし、現在の基盤が出来てきました。
私が工事部長の時の記憶に残る失敗は、温泉掘削工事で、もう少しで掘削完了という時に、機長がある会社のコストダウン会議に出なくてはいけなくなり、現場を休むか機長を交代して続行するか上司と相談した結果、続行することになりました。掘削が始まって間もなく抑留ジャミングを起こし、回復に半年を要した苦い経験があります。
しかし、お客様に喜ばれた井戸工事の思い出も数多く有り、おかげさまで現在ではそのお客様方からメンテナンスの仕事の話がいつも来ています。
25年間の思い出
企画営業部長 坂本良明
25年間の思い出と言えば会社創業当時から2〜3年間の事が印象に残っている。思い出すままに2,3の事を述べてみたい。
「契約」のこと:初めて1千万円以上の仕事がS工業より受注できた時、本当に嬉しかった。仕事は新幹線建設関係の郡山市富久山地内の地下道建設に伴うディープウェル工事であった。
「遠い現場」のこと:大手コンサルT社からの地すべり調査の観測井戸で宮城県栗駒町の駒ノ湯温泉地内の仕事、築館町から入って案内されたが、行けども行けども現場は遠く約3時間後にやっと着いた。栗駒山のふもとでひなびた小さな温泉宿と民家が5,6軒の所だった。(断れば良かったと思った)乗込んだのが11月下旬、宿は11月末で冬期休業となるため、当社外注の井戸屋さんと民家に頼んで1週間位泊めてもらうことになった。どうにか雪の降る前に帰ることが出来た。
「集金」のこと:山形県鶴岡市の古い知合いの顧客先から12月31日に来るように言われたので、先方に教えてもらった通り電車で乗換え乗換えして行ったが、その日は大雪で電車が遅れ鶴岡駅に着いのは夜の10時頃になってしまった。とりあえず腹が減ったので駅前の食堂に入った。大晦日のため食堂は夜通し営業中で、年越しそばを食べてチビチビとやっていたら、除夜の鐘が聞こえてきた。店のおかみに郡山からこういう訳で来たこと等の事情を話し、朝まで居させてもらった。「正月だから雑煮でも」と親切に勧められ、駅前食堂で正月を迎えたことは特に思いで深いことである。
最後に楽しい思い出「社員研修海外旅行」のこと:15周年記念でシンガポールへ初めての海外旅行をした。超高層ビル(60階)の最上階で夜景を眺めながら飲んだコーヒーの味は格別であった。
創立25周年に当りお世話になった多くの皆様に感謝・感謝 !!
特 集
新協地水25年のあゆみ
25周年記念委員会
委員長 佐藤正基
私たち新協地水は1975年(昭和50年)12月23日に創立し、2001年の6日前の20世紀末に25周年を迎えました。皆様に支えられて25周年を迎えられたことに対しまして厚く御礼申し上げます。今、行っています25周年記念事業はささやかなものですが、ひとりでも多くの方々に感謝の気持ちを伝えたいと願っております。
「土と水」の表紙で皆さんもご存知と思いますが、私たちは会社の理念である地水三目標(現在は三つの理念)を設立当初から掲げ、この目標を拠所として会社を運営してまいりました。当初、社員10名でスタートしましたが、現在では40名を超える規模までになりました。ここ数年25年間経営の第一線で奮闘してきた創業者世代のひとたちが第一線を退き始めました。先輩方が築きあげた伝統や教訓、果たすべき夢の残りを三つの理念を拠所として引き継ぎ、実現させていきたいと考えています。
調査ボーリングや水井戸掘削といった労務提供型が中心であった私たちの業務もメンテナンス部門の拡大、地下水調査・地下水開発部門への本格的な取り組みへ発展し、環境調査・環境対策やブレードパイル事業への進出と続いています。土と水に関する企画、調査、解析、設計、施工まで一貫して取り扱える「コンサルタントエンジニア」を目指す方向ができあがりつつあります。
そしてこの25年間に多くの方々に支援や援助を賜りました。特に森田前会長からの御指導は発展途上であった私たちにとって大きな教訓となりました。「社員参加型の経営」を目指す私たちにとって、内部矛盾として起こった諸問題を企業の組織原則をもとに解決していただき、上杉鷹山を学びながら、会社の経営はどうあるべきかを全社員が学びました。その成果として、危機突破のためには全社員が現状を認識し、一丸となることがいかに重要かを理解いたしました。
25周年を迎えた今、小松田会長および谷藤社長のもと福島県より承認を受けた経営革新計画(中小企業経営革新支援法に基づく・平成12年9月11日)と私たちが策定した新協地水株式会社2003年計画に基づき、堅実に、確実に一歩ずつ前進して行きたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
25年の感謝を込めて
≪創立25周年記念キャンペーン≫
25周年記念委員会一同
新協地水は昨年12月23日に創立25周年を迎えました。この25年間に賜りましたご愛好に感謝しますとともに、厚く御礼申し上げます。
新協地水には普段、この「土と水」に登場しない人も多くいます。恥ずかしいという人もおりましたが、25周年の特集号ということで全員の写真と一言を載せました。本誌を配布するだけと思っていた人も、私たち新協地水の正式な一員です。非常に個性的な面々ですが、ここに登場した一人ひとりが新協地水です。今までのご愛好に感謝いたしますとともに、これからもご指導の程、よろしくお願い申し上げます。
本誌の表紙にも出ていますが、当委員会が中心となり25周年のマークを作成いたしました。「おかげさまで25周年」というマークを封筒や名刺につけております。皆様に少しでも感謝の意を伝えたいと思い、作成したものです。 25周年事業としてはささやかなものですが、2つのイベントを行っております。ひとつは今、テレビやラジオでご存知の方も多いと思いますが、県内のあちこちで上映されている映画「ホーム・スイートホーム」への参画です。この映画は、もうすでに始まっており、近い将来は本格的に訪れる高齢化社会、老人問題を真正面から取り上げたもので、一人でも多くの皆さんに真剣に見ていただきたいと思い、参画いたしました。出席希望のはがきを数多く頂き、皆さんの関心の深さを知り、委員会として企画してよかったとの思いでいっぱいです。
もうひとつのイベントは「長寿の湯」利用券の配布です。長寿の湯の方々には私どもの25周年事業に賛同していただきました。皆さんは毎日、忙しい時を送っていると思いますのでほんの一時でも、湯につかりのんびり、ゆったり過ごしていただければと思います。
映 画
ホーム・スイートホーム
脚 本 松山善三 監 督 栗山富夫
出演者 神山繁 酒井美紀 喜多嶋舞
横山通乃 風吹ジュン 小林稔侍
この映画は、弊社のグループ会社であります新協建設工業(株)と同役員が、東京中小企業家同友会の有志と共に企画、製作し上映運動にも取り組んでいる「老人介護と家族のあり方」「グループホームによる集団介護」の映画です。
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