2003年 年頭のご挨拶

地球環境と住み良い地域づくりに役立てるコンサルタントを目指す

代表取締役社長 谷藤 允彦
代表取締役専務 佐藤 正基


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 新年明けましておめでとうございます。
 非常に厳しい情勢の中、今日まで27年間生き抜いてこられたのは、わが社を支え叱咤激励してくださりましたお客様や「土と水」の読者の皆様のご支援によるものと、心から感謝申し上げます。
 新春を迎えるにあたり、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げますとともに、変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。



21世紀は地質調査業冬の時代か
 「夢と希望に満ちた21世紀」になると期待されて、3度目の新年を迎えました。21世紀スタートの2001年正月には、どれだけの人が明るい未来に夢をふくらませたことでしょうか。
 新世紀のスタートから2年を経過した現在、私たちが目の当たりにしているのは、夢と希望ではなく、不況の中で倒産の恐怖に立ちすくんでいるという現実です。
 公共事業が大幅に削減されはじめ、建設産業とその関連業が大きな衝撃を受けています。その影響が特に大きい我々地方の地質調査業にとって、21世紀は冬の時代であり、寒さの中で凍えるのを座して待つしかないのでしょうか。
 これまでの公共投資で蓄積した社会資本の維持補修は誰が担うのでしょうか。火山・地震・風水害などの自然災害に対する備えは十分でしょうか。土壌や地下水の汚染を除去し、きれいにする仕事は誰の守備範囲になるのでしょうか。地球の未来のために、脱原発といわれ、化石燃料削減が求められている中で、自然エネルギーの開発利用はどのように進めるべきでしょうか。健康と長寿のために、安全でおいしい飲用水を確保・保全する事業、心と体を癒す温泉や森林など、自然の恵みを活用し保全する事業は一層必要性を増すことでしょう。
 21世紀の競争は、業界内部での競争ではなく、このような新しい課題にどの業界が取り組み、合理的な提案を行って、自分の業界の事業として取り込むことができるかという競争になります。時代が変われば新しいニーズが生まれ、そのニーズに応じることが出来るよう様々な新しい技術開発や資格の取得が必要になります。
 我々の前に提起されているのは、公共事業に依存して、受け身の事業を続けて凍えるか、他業界と競走しながら新しいニーズに応えられる提案と技術開発を進めて、我々の守備範囲を大きく広げ、成長・発展を目指すかという選択です。

我社の選択
 我社は、従来の地質調査・さく井工事に加え、地盤汚染調査と対策工事・水源井戸や温泉深井戸の保守管理業務・風力ポンプを活用したビオトープ・回転埋設鋼管杭であるブレードパイル・グランドスパイク工法の開発など、新分野・新事業に取り組んでまいりました。中でも地盤汚染調査と対策工事・水源井戸や温泉深井戸の保守管理業務・回転埋設鋼管杭であるブレードパイルについては、事業として軌道に乗り始めました。
 我社は、土と水に関する専門家として、地球環境を守る事業、地域と住民が必要とする事業・時代の変化が求める新しい事業の開拓に継続的に取り組んできました。これらの事業を成功させるためには、次の3つの条件が必要と考えています。
  1. 顧客と一緒になって問題解決を図るために、信頼関係を強めながらあらゆる問題に真剣に取り組む。
  2. 問題解決のために適切な技術提案と技術開発を行うことが出きる技術と能力を全社員が身につける。
  3. 我社の持つ人材とノウハウだけでなく、広い分野から知恵と情報を集めて問題解決に当たるため、同業種・異業種との協力共同のネットワークを一層強化する。
 21世紀に生き残れる会社というのは単なる利益集団ではなく、地域社会と顧客の利益に貢献できる会社です。我社は、一人一人の社員が人間性を磨き、技術・技能の研鑚を行ない、顧客に信頼される社員の集団になることを目指します。
 我社を取り巻く環境は、依然として非常に厳しい状況にありますが、「新協地水3つの理念」に基づき、経営者・管理者・従業員が一丸となって、社会に貢献できる会社を目指してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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