特別講演会
竹内篤雄先生
自然地下水調査法への誘い
研究開発室  小野 順子

 7月24日(金)に、講師として、京都大学防災研究所の竹内篤雄先生をお招きし、研究開発室・企画推進室主催の「自然地下水調査法への誘い」という講演会を新協地水の社員向けに実施しました。
 自然地下水調査というのは“地下水災害(地すべり、液状化等)・障害(地盤沈下、井戸枯れ、地下水汚染、塩水化等)に大きな影響を与える地下水が、自然状態でどのような形態で存在しているのか、つまり『あるがままの地下水の姿』を明らかにするために実施される調査法”のことです。
 プログラムは、以下のとおりでした。前半は、「水ミチ」を知ることの重要性が中心で、後半は、温度測定(1m深地温探査、多点温度検層法、単孔式加熱型流向流速計による方法)の具体的な実践に根ざした測定方法および解析結果が中心でした。
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講師 竹内篤雄先生

1. 地下水災害・障害に大きな影響を与える地下水はどのような姿で地下に存在しているのか?
2. 自然災害に大きな影響を及ぼす「水ミチ」の存在場所を立体的に探るにはどうすれば良いか?
3. これまでの地下水調査法は何を目的として実施されてきたか?
4. ではどうすれば「水ミチ」の存在場所を正確に探査することができるのか?
5. 温度測定による流動地下水調査法の必要性
6. 温度測定による流動地下水調査法の構成
7. 1m深地温測定調査法(1m深地温探査法)
8. 多点温度検層法
9. 単孔式加熱型流向流速計による測定方法

写真  この講演会を聴くまで、地下水は帯水層に均一に存在していると思ってましたが、帯水層の中でも地下水が集中して存在する部分(水ミチ)があり、この水ミチを正確に把握することが、自然地下水調査には重要であると理解できました。

竹内篤雄先生略歴
1940年 栃木県生まれ
1963年 関東学院大学工学部電気工学科卒業
1963年 京都大学防災研究所にアルバイトとして勤務
1964年 京都大学防災研究所地すべり部門に勤務、現在に至る
1977年 技術士(応用理学部門)登録

代表著書 
「地すべり地温測定による地下水調査法(吉井書店,1983年)」
「温度による流動地下水調査法(古今書院,1996年)」
「斜面調査のための物理探査(吉井書店,1998年)」

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