第四回技術研究発表会
研究開発室  小野 順子

写真  1998年8月1日、郡山勤労者総合福祉センター(サンフレッシュ郡山)において50名の参加者を得て第四回技術研究発表会が行われました。
 技術研究発表会は、年一回の開催をしており、新協地水の社員だけでなく、アートスペース工学鰍ニ新協建設工業梶i共に東京)からも発表者を招いて、今までに携わった仕事や体験を基に現業部門・間接部門を問わず、工夫・成果や研究を発表し、社員全員の技術水準の向上をめざしています。
 発表は、以下のとおり進行しました。

連名中の氏名は報告発表者

 
【セッション1.技術・機器】
1.「地質調査におけるサンプリングについて」鳥畑篤司、青木雄太郎、阿部浩(調査課)
2.「各試験における測定N値について」佐藤正基、山口將、榊枝直幸(調査課)
3.「鉄バクテリア(鉄細菌)についての研究」山家久雄(工事課)、高山眞(水源開発課)
4.「観測孔の洗浄工法について」西坂元男 八代武彦、高山眞(水源開発課)
5.「オフセットウェンナシステムによる接地抵抗の測定について」韓文根(水源開発課)
6.「水源開発としての比抵抗2次元探査とこれから」岩崎元二、韓文根、菅原祐一、石井六夢(水源開発課)
 
【セッション2.ソフト・管理手法】
1.「原価速報労務費のエクセルを使った合理化(案)」三浦裕美(総務部)
2.「LAN(ラン)からWAN(ワン)へ
 社内ネットの現状と拡張の方向性について」
渡辺匠(企画推進室)
3.「数値データの可視化について」大坪久人、三星美知江(会津支店)
《新人研究発表報告》
1.「K‐Ar(カリウム‐アルゴン)法による年代測定」石井六夢(水源開発課)
2.「桧原湖におけるピコファイトプランクトンの
 季節変化とクロロフィル‐a濃度との相関」
佐藤紀子(調査課)
 
【セッション3.マネージメント】
1.「技能とコスト低減についての提案」野中徹、篠田順一(工事課)
2.「技術提案営業とコストダウン」青山勝男(営業部)
3.「住宅事業部のリフォーム工事」平尾良則(新協建設工業)
4.「公団桜堤団地第7住宅建築工事のコストダウンについて」坂口裕幸(新協建設工業)
 
【セッション4.基礎研究】
1.「郡山駅周辺の土質構成と地下水の流動
 (土壌・地下水汚染調査の基礎資料として)」
谷藤允彦(取締役)、五月女玲子(水源開発課)
2.「岩石の経験則的破壊基準」小松田精吉(取締役)
3.「大槻扇状地の地形、地質(その2)―扇状地堆積物の性質と変遷―」五月女寛(研究開発室)
4.「阿武隈花崗岩の風化による化学的、
 土質工学的状態変化(T)」
小野順子(研究開発室)
5.「広域的水質調査の現状と将来性の研究―特に
 我社への業務適応について―」
澤内知子(研究開発室)
6.「現場における砂分含有率試験に関する基礎的実験」小松田知直(アートスペース工学)

写真  セッション1の技術・機器では、現場作業における新しい手法の紹介や、現状を改善するアイディア等の発表がありました。これらの中にはすぐに活用できるものもあり、作業効率を良くしたり、調査・試験の精度を上げるのに参考になったと思います。
 セッション2のソフト・管理手法では、すべてコンピューターを活用する内容でした。社内ネットシステムを導入して約1年ですが、コンピューターを業務に活用する姿勢が、広まってきていると感じました。
 セッション3のマネージメントでは、主にコストダウンについての発表でした。現場作業においても、営業においても、様々な工夫や努力をして、利益を出そうという姿勢は、見習うべきところが多くあったと思います。
 セッション4の基礎研究は、地域に密着した研究と、精度の良い調査・試験方法を提案するものであり、どちらも、コンサルタント業務を行なう為には重要な内容であったと思います。
 第四回技術研究発表会は、前回までと比較して確実に向上していると感じました。発表内容も日常業務を工夫したり改善したりして、作業効率を良くするといったものが多く、その点では、日常業務に関する研究の成果が発表されたといえるでしょう。


写真  発表技術も良くなり、OHPが見やすく、話し方もわかりやすくなったと思います。特に発表時間の15分間を考えて、発表していたことが伺えました。
今回初めて「講演論文集」をまとめました。これは事務局としては大変な作業でしたが、回数を重ねるごとに「講演論文集」が、社会的な価値を持ち、営業に活用できるものなることを期待します。
 第五回技術研究発表会も、今回以上に、社員の研究成果を活発に発表する場でありたいと考えています。今後は、社員の自主性をもっと主張できるような発表会に変えていきたいと考えております。





各賞受賞者および受賞理由

各賞 所属 受賞者 論題および受賞理由
社長賞 総務部 三浦裕美 「原価速報労務費のエクセルを使った合理化」
既存のハード・ソフトを活用する合理化の方法を考案し、コストダウンに大きく貢献した。
論文賞 研究開発室 小野順子 「阿武隈花崗岩の風化による化学的、土質工学的状態変化(T)」
途中経過であるが、第一報として洗練されている。また、研究テーマが土木技術の問題解決と深く結びついており、宣伝効果も期待できる。
技術賞 水源開発課 韓文根 「オフセットウェンナシステムによる接地抵抗の測定について」
既存設備による測定データのばらつきを克服する視点から、接地抵抗の測定法を発見したという発想が良い。
アートスペース工学 小松田知直 「現場における砂分含有率試験に関する基礎的実験」
従来の方法を大幅に合理化した新しい試験方法でありデータを蓄積すればうまく利用できる。
奨励賞 水源開発課 西坂元男
八代武彦
高山眞
「観測孔の洗浄工法について」
いくつかの工法を練りながら、具体的に比較している。今後に期待できる。
会津支店 大坪久人
三星美知江
「数値データの可視化について」
パソコンを活用して報告書や営業プレゼンテーションの質的向上に役立てられる実例を紹介した。
特別賞 工事課 高山眞
山家久雄
「鉄バクテリア(鉄細菌)についての研究」
今までにない切り口で、目詰まりの問題に取り組んでいる。初歩的な段階であるが、今後の期待がある。
水源開発課 岩崎元二
韓文根
菅原祐一
石井六夢
「水源開発としての比抵抗2次元探査とこれから」
水源開発の比抵抗データをどう活用するかという内容で、地層汚染調査への活用提案は、今後追求すべき課題であった。
新協建設工業 坂口裕幸 「公団桜堤団地第7住宅建築工事のコストダウンについて」
コストダウンの方法と進め方について、我々が学ぶ要素が多くあった。
研究開発室 澤内知子 「広域的水質調査の現状と将来性の研究−特に我が社への業務適応について−」
水質分析にによって水の挙動を調べるというテーマは、我が社の技術と営業にとって大変重要なテーマであり、今後の研究進展に期待したい。


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