黒森強清水のある湖南町は福島県の中央やや南寄り(郡山市の西部)にあり、猪苗代湖南東縁部を占めています。
49号線沿いにある強清水から白河に至る国道294号線は、江戸時代、参勤交代の道として使われていた白河街道をもとにつくられたものです。
今回採取した黒森強清水の水質をイオン分析によって、どのような水なのかをここで述べてみたいと思います。イオン分析の結果は表1をご覧ください。| 採水場所 | 黒森強清水 | ||
| 水 温 | 8.6℃ | ||
| pH | 7.1 | ||
| 電気伝導度 | 52.5μs/cm | ||
| 分析項目 | イオン濃度 (mg/リットル) |
イオン当量 (me/リットル) |
比 率 (%) |
| カルシウム(Ca |
3.1 | 0.155 | 29.4 |
| マグネシウム(Mg |
1.3 | 0.107 | 20.3 |
| ナトリウム(Na |
5.3 | 0.230 | 44.0 |
| カリウム(K |
1.3 | 0.033 | 6.3 |
| 陽イオン総量 | 11.0 | 0.525 | 100.0 |
| . | . | . | . |
| 塩素イオン(Cl |
2.7 | 0.076 | 14.4 |
| 硫酸イオン(SO4 |
1.2 | 0.025 | 4.7 |
| 炭酸水素イオン(HCO3 |
25.0 | 0.410 | 78.0 |
| 硝酸イオン(NO3 |
0.93 | 0.015 | 2.9 |
| 陰イオン総量 | 29.83 | 0.526 | 100.0 |
図4は、黒森強清水に含まれる各イオン成分をトリリニアダイヤグラム上にプロットしたものです。この図では、本湧水はI型とV型の境界線上に位置します。| 領域 | 組成による分類 | 水の種類 |
| I | 重炭酸カルシウム型 Ca(HCO3)2型 |
Ca(HCO3)2 Mg(HCO3)2型の水質組成で、わが国の循環性地下水の大半がこの型に属する。石灰岩地域の地下水は典型的にこの型を示す。 |
| II | 重炭酸ナトリウム型 NaHCO3型 |
NaHCO2型の水質組成で、停滞的な環境にある地下水がこの型に属する。したがって、地表から比較的深い地下水の型といえる。 |
| III | 非重炭酸カルシウム型 CaSO4又はCaCl2型 |
CaCl2又はCaSO4型の水質組成で温泉水・鉱泉水および化石塩水等がこの型に属し、一般の河川水・地下水では特殊なものであり、温泉水や工業排水等の混入が考えられる。 |
| IV | 非重炭酸ナトリウム型 Na2SO4又はNaCl型 |
Na2SO4又はNaCl型の水質組成で、海水および海水が混入した地下水・温泉水等がこの型に属する。 |
| V | 中間型 | I〜IVの中間的な型で、河川水・伏流水および循環性地下水の多くがこの型に属する。 |
| 原川 | 黒森強清水 | |
| pH | 6.9 | 7.1 |
| 電気伝導度 | 41(mS/m) | 52.5(mS/m) |
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